
着物が好きで集めているうちに、気づけばタンスの中にサイズが合わない着物が何枚も眠っていませんか。
私も母から譲り受けた着物や、アンティーク市で一目惚れして購入した着物の中に、身丈が短すぎたり、逆に大きすぎたりするものがいくつかあります。
せっかくの美しい着物なのに、サイズが合わないという理由だけで着られないのは本当にもったいないですよね。



でも大丈夫です。サイズが合わない着物でも、工夫次第で素敵に着こなすことができます。
この記事では、短すぎる着物や大きすぎる着物を活用する方法を詳しくご紹介します。
うそつき袖やスカート合わせなどの実用的なアイデアから、関西エリアでのお直し情報まで、幅広くお伝えしていきます。
短すぎる着物を素敵に着こなす方法


身丈が短い着物でも、ちょっとした工夫で素敵に着こなすことができます。
ここでは、手軽に試せる方法から現代的なアレンジまで、幅広いテクニックをご紹介します。
うそつき袖で簡単に解決!取り付け方とコーディネート
身丈が短い着物の最も手軽な解決方法は、「うそつき袖」を活用することです。
うそつき袖とは、着物の袖口から見える部分だけの別布で、まるで下に長襦袢を着ているように見せることができる便利なアイテムです。
うそつき袖は市販のものを購入することもできますし、手持ちの長襦袢や着なくなった着物の袖部分を利用して自作することも可能です。
取り付け方は簡単で、着物の袖の内側に安全ピンや専用のクリップで留めるだけ。色は白や淡い色を選ぶと、どんな着物にも合わせやすくなります。
うそつき袖を使う際のコーディネートのポイントは、着物とうそつき袖の色のバランスを考えることです。
例えば、濃い色の着物には白や薄いピンクのうそつき袖を合わせると上品に、淡い色の着物には同系色のうそつき袖を選ぶと統一感が出ます。



レースや刺繍入りのうそつき袖を選べば、より華やかな印象になりますよ。
スカートやパンツと合わせるモダンな着こなし術
最近では、着物をモダンにアレンジする着こなしが人気を集めています。身丈が短い着物は、むしろこうしたスタイルにぴったりです。着物の下にロングスカートやワイドパンツを合わせることで、新しい着物スタイルを楽しむことができます。
スカートを合わせる場合は、プリーツスカートやフレアスカートがおすすめです。色は着物の地色に含まれている色を選ぶと、全体がまとまりやすくなります。無地のグレー系スカートに、ピンクや青など明るめの銘仙着物を合わせたスタイルは成功例として注目されています。黒や紺などのベーシックカラーも合わせやすく、初心者の方にも挑戦しやすいでしょう。
パンツスタイルの場合は、ワイドパンツやガウチョパンツがよく合います。特に無地のパンツは、柄物の着物との相性が抜群です。足元はブーツやパンプスを合わせると、より現代的な印象になります。このスタイルは動きやすいので、着物でのお出かけがより気軽に楽しめるようになります。
帯の位置と小物使いでバランスを整える
身丈が短い着物でも、帯の位置を工夫することで見た目のバランスを整えることができます。通常より少し高めの位置で帯を締めると、足元の短さが目立ちにくくなります。また、帯揚げや帯締めを効果的に使うことで、視線を上に向けることができます。
帯揚げは少し多めに見せて、ふんわりとボリュームを出すのがコツです。帯締めも太めのものや、飾り結びができるものを選ぶと、帯周りが華やかになり、全体のバランスが良くなります。また、半衿を少し多めに見せることで、上半身にポイントを作ることもできます。
足元については、足袋の代わりにレースの靴下やタイツを合わせるという方法もあります。特に柄物のタイツは、短い裾から見えても違和感がなく、むしろおしゃれなアクセントになります。草履の代わりにブーツを履くのも、モダンな着こなしとして人気があります。
大きすぎる着物を美しく着る工夫


サイズが大きめの着物は、着付けの技術と小物の使い方で美しく着こなすことができます。
体型に合わせた調整方法を身につければ、譲り受けた着物も素敵に着られるようになります。
着付けの技術でサイズ調整する方法
大きすぎる着物は、着付けの技術である程度カバーすることができます。
まず重要なのは、下前の処理です。身幅が広い場合は、下前を多めに入れ込むことで調整します。
この時、脇線が体の真横に来るように意識すると、きれいなシルエットになります。
身丈が長すぎる場合は、腰紐の位置を調整することで対応できます。
通常より高い位置で腰紐を締め、おはしょりをたっぷりと取ります。その後、おはしょりを整える際に、余分な部分を内側に折り込んで処理します。



この方法なら、着物を切ることなくサイズ調整ができます。
また、衿の合わせ方も重要です。大きい着物は衿が開きやすいので、しっかりと合わせて着付けることが大切です。
衿芯を使用し、半衿をきちんと見せることで、首元がすっきりと見えます。
胸元には補正タオルを多めに入れることで、着物が体にフィットしやすくなります。
腰紐・伊達締め・補正の効果的な使い方
大きすぎる着物を美しく着るためには、腰紐と伊達締めの使い方がポイントになります。
腰紐は通常2本使用しますが、大きい着物の場合は3本使うことをおすすめします。
1本目で裾の長さを決め、2本目でおはしょりを作り、3本目で全体を安定させます。
伊達締めも、通常の位置に加えて、帯の下にもう1本使用すると効果的です。これにより、余った布をしっかりと押さえることができ、着崩れを防ぐことができます。



マジックベルトタイプの伊達締めを使用すると、より簡単に調整できます。
補正も大切な要素です。大きい着物は体との間に空間ができやすいので、タオルや専用の補正パッドを使って体型を整えます。
特にウエスト周りと胸元の補正をしっかり行うことで、着物が体に沿いやすくなります。
補正をきちんと行うことで、着物のシルエットが美しくなり、着崩れも防げます。
おはしょりの処理と裾上げのコツ
身丈が長すぎる着物の場合、おはしょりの処理が重要になります。
おはしょりが長すぎると、もたついて見えたり、着崩れの原因になったりします。理想的なおはしょりの長さは、帯の下から5〜7センチ程度です。
長すぎるおはしょりは、内側に折り込んで処理します。
まず、おはしょりを一度きれいに整えてから、余分な部分を内側に三つ折りにします。この時、折り目が表に響かないように注意しましょう。



折り込んだ部分は、伊達締めでしっかりと押さえます。
裾の長さも重要です。大きい着物は裾が長くなりがちですが、くるぶしが隠れる程度の長さが理想的です。着付けの際に、腰紐の位置を高くすることで調整できます。
また、裾つぼまりを意識して着付けることで、裾が広がりすぎるのを防ぐことができます。



歩く際に裾を踏まないよう、少し短めに着付けるのもポイントですよ。
関西でサイズ直し・買取・譲渡を検討する時


自分での調整が難しい場合は、プロの力を借りるのも一つの選択肢です。
関西エリアには優れた職人さんや便利なサービスがたくさんあるので、上手に活用してみましょう。
大阪・京都・神戸の格安お直し店と相場
どうしても自分で対処できない場合は、プロにお直しを依頼するのも一つの方法です。



関西エリアには、着物のお直しを手頃な価格で行ってくれるお店がたくさんあります。
大阪では、着物のお直し専門店があり、身丈直しは19,800円、裄直しは9,900円程度が相場です。
また、格安なお直し店では、身丈直しが8,200円、身幅直しが9,900円という破格の料金で提供しているところもあります。
京都には、老舗の呉服店が多く、確かな技術でお直しをしてくれます。価格は大阪よりやや高めですが、15,000円〜30,000円程度で丁寧な仕事をしてもらえます。
特に西陣エリアには、織物に詳しい職人さんが多いので、大切な着物のお直しには安心です。
神戸では、元町や三宮エリアに着物のお直し店が点在しています。価格帯は大阪と京都の中間程度で、10,000円〜20,000円が相場です。
また、着物の仕立て教室を開いているところでは、生徒さんの練習として格安でお直しを受けてくれることもあります。
着物買取サービスの選び方と査定ポイント
サイズが合わない着物を手放して、新しい着物を購入する資金にするという選択肢もあります。関西には多くの着物買取店があり、それぞれ特徴があります。



買取サービスを選ぶ際は、まず複数の店舗で査定を受けることが大切です。
同じ着物でも、店舗によって査定額が大きく異なることがあります。出張査定を無料で行っている店舗も多いので、自宅にいながら複数の見積もりを取ることができます。
査定のポイントとしては、着物の状態が最も重要です。シミや汚れがないか、虫食いがないかなどをチェックされます。
また、証紙があれば査定額がアップすることが多いです。
有名作家の作品や、伝統工芸品の着物は高値がつきやすい傾向にあります。
サイズについては、現代の標準的なサイズ(身丈160cm前後)に近いものほど需要が高く、査定額も上がりやすいです。
着物仲間との交換会・譲渡会情報の探し方
着物好きの仲間と交換会や譲渡会を通じて、サイズの合う着物を見つけるという方法もあります。関西では、定期的にこうしたイベントが開催されています。
情報を探す方法としては、まずSNSが便利です。
FacebookやInstagramで「着物交換会 関西」「着物譲渡会 大阪」などのキーワードで検索すると、様々なグループやイベント情報が見つかります。



着物関連のハッシュタグをフォローしておくと、最新の情報をキャッチできます。
呉服店や着物レンタル店でも、交換会の情報を教えてもらえることがあります。特に個人経営の小さなお店では、常連客同士の交流が盛んで、店主が仲介してくれることもあります。
着付け教室や茶道教室など、着物を着る機会が多い習い事の場でも、情報交換ができます。
公民館や文化センターの掲示板にも、着物関連のイベント情報が掲載されていることがあるので、チェックしてみる価値があります。
まとめ:サイズが合わない着物も楽しむために


サイズが合わない着物でも、工夫次第で十分に楽しむことができます。
短すぎる着物はうそつき袖やスカート合わせでモダンに、大きすぎる着物は着付けの技術でカバーできます。
どうしても難しい場合は、関西の豊富なお直しサービスを利用したり、買取や交換会を活用したりする方法もあります。



大切なのは、サイズが合わないからといって着物を諦めないことです。
むしろ、自分なりの工夫やアレンジを楽しむチャンスと捉えてみてはいかがでしょうか。
着物の楽しみ方は一つではありません。伝統的な着方も素敵ですが、現代的なアレンジを加えることで、より自分らしい着物スタイルを見つけることができます。



これからも着物を愛する仲間と一緒に、様々な着こなしを楽しんでいきましょう。
サイズの悩みを解決して、もっと気軽に着物でお出かけできるようになれば、着物ライフがさらに充実したものになるはずです。
お手持ちの着物を見直して、新しい着こなしにチャレンジしてみてください。
